御嶽海 久司さん(大相撲力士)
長野県出身の御嶽海関。飛ぶ鳥を落とす勢いの大相撲力士だが、お父さんが建設の仕事をしているというのはご存知だろうか? だから、御嶽海関も社会に出たら建設の道に進むつもりだったそうだ。実際、学生時代には地元の木曽にある建設会社で研修を受け、フォークリフトや溶接の資格も持っている(!)というから驚きだ。2016年の秋、編集部がインタビューしたものを紹介しよう。
大学時代に、地元・木曽の建設企業で研修を受けたという御嶽海関。さっそく「建設業」についてのイメージを聞くと、御嶽海関はこう答えてくれた。「建設の仕事がなければ橋が架からないし、道が通らない。なければ困るものをつくっているわけですから、建設業は誇りのある仕事です。自分も相撲取りでなければ、建設の仕事をしようと思っていました」
建設の仕事を目指していたとは!と驚く編集部に「しかも『あそこの橋は自分がつくった』『あの法面(のりめん)は自分がつくった』といって子どもに自慢できる仕事なんて滅多にないですよ。自慢できるものを世の中に残せるのはすごいことです」と言葉を続ける御嶽海関。
いやぁ、確かにそのとおりですね! そういえば、御嶽海関も2016年に長野県出身者としては84年ぶりとなる新三役になった。つまり相撲の記録とファンの記憶両方にその名を残したわけだ。そう話したら「確かにその点で共通していますね」と頷いた。そして「相撲も建設業も、若いときは大変かもしれないけど、後になって誇れるものです」という。
さすが、大学卒業後に建設の仕事に就くことを考えていただけある。最後に、若い子たちへのメッセージをお願いすると、御嶽海関は真剣に考えてから、こう口にした――。「中高生の頃には夢をまだ持てない人も多いと思います。でも、夢はまだなくてもいい。色々なことを体験して、これをやりたいとか、あれをやってみたいとか、そこからスタートすればいいんです。建設の仕事もそう。一度体験してみて、すごさに触れてほしい。やってみればきっと印象が変わりますよ」
(若者向け建設PR誌『LIFE』より)
更新日:2017.05.31 Wed